「牛乳は恐ろしい飲み物である。」それが明確になった今もなお、学校給食で牛乳が出される理由。

food milk liquid drip

娘は、保育園で毎日、50ml×2回の牛乳を飲まされています。

一度は、牛乳を飲ませないでほしい、と園長先生に頼みましたが、医師による診断書を提出してほしい、と言われました。

自分は大げさなのではないか。
1日たったの100mlくらい大丈夫なのかな、と思い、『女性のためのナチュラル・ハイジーン』の著者である松田麻美子さんに質問させていただきました。

松田麻美子さんの回答は、

「たとえ少量であっても、小さいお子さんが毎日100mlの牛乳を摂取することは好ましいとは思えません。
牛乳は乳ガン、前立腺ガンなどと密接に関係しています。特に5歳までに動物性食品(特に牛乳)を与えられたお子さんは、将来乳ガンほかさまざまなガンのリスクが高くなることが明らかにされています。」
「強制的に牛乳を飲ませなければならないという法律はありません」
「大切なわが子を将来乳ガンや前立腺ガンなどの辛い目に遭わせたくないと望むのであれば、賢い選択をすることが大切」

というものでした。

私は、まだ、保育園との2回目の交渉ができていません。

こうしているうちにも、毎日子供たちは牛乳を飲んでいます。

時々、娘が嫌がるのか、連絡帳に「牛乳→お茶」と書かれている日は、ほっとします。
早く手を打たないとと思いますが、一度玉砕した手前、勇気が出ません。
こんな小心者の情けない親もいるので、1日でも早く、世論が動いてくれたらと、心の底から願います。

では、なぜ、学校給食で牛乳が出されるのでしょうか。

生活習慣病を予防する食生活というサイトの学校給食と牛乳でその理由が書いてありますが、少し難しいので、この内容を踏まえて、今日は、学校給食と牛乳についての話をしたいと思います。

「牛乳が健康にいい」はいつから否定されているのか

私が初めて、「牛乳は健康に良い飲み物ではない。むしろ健康を害する恐ろしい飲み物だ」と知ったのは、約10年くらい前でした。
『牛乳神話完全崩壊』という本だと思いますが、今は出版されていないようです。
それ以来、元々、牛乳が嫌いだったこともあり、積極的に牛乳を飲むことは無くなりました。

ハーバード大学で、牛乳や乳製品を多く摂取した方が骨折しやすいという結果を明らかにした追跡調査が始まったのが、1980年。
アメリカにて、第二のマクガバン・レポートと言われる「チャイナスタディー」で牛乳やチーズの害が報告されたのが、1993年。

T・コリン・キャンベル (著), トーマス・M・キャンベル (著), 松田 麻美子 (翻訳)
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厚生労働省で、牛乳や乳製品を多く飲む男性の方が前立腺がんのリスクが高まると報告されたのが、2008年。

その間も、牛乳を飲むと乳がんのリスクが約7倍になると、ランセット誌の論文で発表されました。

アメリカでは、牛乳を健康飲料と謡ってはいけない法律ができ、ニューヨーク市のミルクスタンドでは、牛乳は全廃、代わりにアーモンドミルクや、ソイミルク、ココナッツミルクが置かれるようになりました。

スターバックスでも、2030年までに、乳製品の提供をやめ、植物性のミルクやクリームを使った商品を提供する、と発表しています。

これは、世界中で、動物性ミルクから植物性ミルクへ、需要が変化していることを表しています。

学校給食で牛乳が強要される理由

先に結論から書くと、学校給食で未だに牛乳が強要される理由は、

農林水産省を主体とする牛乳を売りたい酪農・乳業界が、文部科学省と癒着して、「牛乳=体に良い」という洗脳を全国民に植え付け、県や教育委員会を巻き込んで、学校給食での牛乳提供を続けている

というものです。

みんな牛乳や乳製品の健康への害のことは、とっくに知っていると思います。
でも、この強靭なシステムを変えることはできない。

大人の事情に巻き込まれて、無理やり健康を害される子供たちがいるということが、残念で仕方ありません

また、テレビなどでも、牛乳やヨーグルトなどの乳製品を病気やガンの原因であるとは言いません
それは、牛乳や乳製品を扱っている食品メーカーがテレビ番組のスポンサーだからです。
体にとって、良い栄養素のみを強調して消費を促す仕組みになっています。

ごく一部の人の事情で、日本人の健康は害されている。

これもまた、残念で仕方ありません。

自分と自分の家族、大切な人の健康は、能動的に情報を取りにいいって、自身の力で守らなくてはならない、と痛感させられます

学校給食の歴史

では、そもそも、どういう経緯で、学校給食に牛乳が提供されるようになったのでしょうか。
理由なく、牛乳が提供されるようになったわけではありません。

1946年「スポック博士の育児書」

1946年、アメリカの小児科医、ベンジャミン・スポックによって、『スポック博士の育児書』という書籍が出版されました。42か国語に翻訳され、世界中で5,000万冊も販売されたそうです。

日本では、
1966年に、《第3版》(1957年)が「暮しの手帳社」から出版され、1992年に、《第6版》が、『最新版・スポック博士の育児書』として、翻訳、出版されています。
この本が、2006年まで、13刷を重ねて出版されました。
(現在は廃盤となっています。)

ここで、大切な認識は、和訳された「スポック博士の育児書」は、原文《第6版》によるものだということです。

《第6版》の中で、スポック博士は、牛乳に関してこう述べています。

(要約)牛乳には、人間の体に要るほとんど全部の成分が含まれている。たんぱく質、脂肪、糖分、ミネラル、たいていのビタミン…バランスのとれた食事をしている子なら、牛乳を飲まなくても他の食べ物からこのような大切な栄養を摂ることができますが、カルシウムだけは例外…牛乳は、カルシウムをたっぷり含んでいる唯一の食べ物…よちよち歩きの子には、1日に450~560cc、もっと大きい子には、700cc~950ccの牛乳を与えるべき

はっきりと「牛乳神話」が書かれています。
この内容が、日本で翻訳、出版されました。

しかし、スポック博士は、次の《第7版》(1998年)で牛乳に対する考えを、180度変えました。

(要約)自然界には、離乳期を過ぎてミルクを飲む動物はいない。人間も同じで、離乳期を過ぎたらミルクを飲まないのが正常。必要なたんぱく質を植物から摂った方が、こどものカルシウムバランスは良くなる

日本で和訳された《第6版》は、《第7版》が1998年に出版されてから、既に、原著からは似て非なるものとなっているにも関わらず、その後、8年間も世に出されているということになります。

さらに、原著《第8版》で、スポック博士は、「最悪の食品は、乳・乳製品である」とまで述べています。

(要約)アメリカ人の心臓発作に至る道筋は、子どもの頃から始まっている。すでに3歳で、多くのアメリカの子どもの動脈壁に脂肪が付き始める。12歳の子どもの70%に動脈硬化の初期変化が見られ、21歳になるとほぼ全員に動脈硬化が始まっている。肥満がアメリカ社会全体を覆うようになった。アメリカは社会全体を変えなければならない。最悪の食品は、乳・乳製品である

MEMO
スポック博士自身、88歳より、乳・乳製品を完全に断ち、肉も少量にしたそうです。その結果、2週間で、抗生物質の治療で効果のなかった慢性気管支炎が消え、また友人にも、乳製品や肉を除くことで、持病の心臓病が良くなった人が多数出てきたと言います。

「乳・乳製品は良いものだ」とする考えを見直さなければならない。

学校給食で牛乳開始

学校給食の話に戻ります。

学校給食で牛乳が提供されるようになったのは、1955年です。
その理由になっているのが、1946年に出された「スポック博士の育児書」です。

この育児書の、「牛乳神話」をもとに、学校給食での牛乳、母子手帳での離乳食の進め方、妊娠中の食事など、牛乳を中心とした食習慣が提唱されました。

「給食に牛乳」論の展開

その後、文部科学省によって、2005年食育基本法が制定され、2009年に新・学校給食法ができました。
新・学校給食法には牛乳に関する内容はありません。

しかし、その下に位置する「学校給食法施行規則」には、次のような定めがあります。

給食は、「完全給食」「捕食給食」「ミルク給食」のいずれか
「完全給食」とは、主食・おかず・ミルクを給食提供する
「捕食給食」とは、おかず・ミルクを給食提供し、主食を持参する
「ミルク給食」とは、ミルクを給食提供し、主食・おかずを持参する

つまり、いかなる給食でも、ミルク(牛乳)を強要する決まりとなっています。

牛乳に関する記述は、法律にはないので、これは、文部科学省の一存で決められたことに過ぎないということになります。

「給食に牛乳」論の裏側

このような、牛乳を強要する内容が出来上がった裏側には、農林水産省と文部科学省の共謀があります。

農林水産省は、酪農振興のために、牛乳の消費拡大に懸命になっており、一番手っ取り早いのは、学校給食で、牛乳を飲ませるという方法です。

また、「牛乳ほど体に良いものはない」と言われて育てられた親は、わが子のために同じ行動をとるので、国民に「牛乳=完全栄養食品」という洗脳を意図的に植え付けるキャンペーンも行います。

農林水産省は文部科学省に依頼し、県議会が教育委員会に「学校給食用牛乳消費定着促進」のビデオテープの無料貸し出しをするよう働きかけ、
県ー酪農・乳業界ー教育委員会ー学校が結び付いた、強固なシステムを作り上げました。

農林水産省と文部科学省の動き

しかし、2003年、文部科学省は、「学校給食における食事内容について」という通達を出して、学校給食の標準食品構成表から、牛乳200mlの条件を削除しました。

すると、牛乳消費が低迷した農林水産省が文部科学省に苦情を出します。

2003年に、文部科学省は通達を廃止し、2008年の新・通達で牛乳を強要しました。この頃、牛乳無しでは、給食が作れなくなったと嘆く栄養士も多かったそうです。

さらに、農林水産省は、
「我が国の酪農の健全な発展を図るとともに、幼児、児童及び生徒の体位、体力向上に質するため、国内産の牛乳を小学校・中学校・特別支援学校及び、夜間過程を置く、高等学校のすべての幼児、児童及び生徒に対し、次の基準により供給することを目標とする」として、牛乳の「学校給食供給目標」を毎年公表しています。

2007年の牛乳供給目標
1日あたり300ml

1日に300mlも飲んだら、腹痛や下痢、おなかがゴロゴロする子が続出

2010年 200mlに下げた

ここまでが、学校給食と牛乳で書かれている内容でした。
その後、2015年は牛乳1日、200mlが目標となっていました。

今も、牛乳は強要されているし、実態は変わっていないと思います。

農畜産業振興機構の牛乳に関する記事は、「牛乳を飲まないとカルシウムが不足する」と推し過ぎていて、もはや怖くらいです。

牛乳を止めようと働きかけると、強い力でねじ伏せている、という現状が想像できます。

まとめ

最初に述べたように、牛乳が未だに強要されている理由は、酪農・乳業界の保護という大人の事情によるものです。

「そんなことないよ、牛乳を飲まないとカルシウムが不足するから、子どもたちに提供しているんだ」
牛乳にカルシウムが含まれているのは事実なので、その主張を仮に受け入れるとしましょう。
(もちろん、他の植物性食品でもカルシウムは豊富に摂れますが)

でも、牛乳の本性は、

重要
・牛乳を飲んでも背は高くならない。
それどころか、成長ホルモンを阻害して、幼くして身長の伸びが止まり、低身長となる。
・骨粗しょう症の予防になるどころか、骨のカルシウムを溶かして、骨粗しょう症を引き起こす。
・牛乳に含まれるホルモンの問題で、乳がん、前立腺がんの原因、さらには、不妊症、女性系の疾患など、あらゆる害をもたらす。

『カルシウムが不足する』そんな次元ではない大問題が起きてしまっています。

世の中では「食育」という言葉をよく見かけるようになり、さまざまな教育がされていますが、牛乳を止めること、大人が牛乳の本性に気が付くこと、それが「食育」の最優先課題だと私は思います。


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